2019年スポーツシーンで大きく名を挙げることとなったゴルフの「渋野日向子」選手。
大きく名を挙げることに繋がったのは、2019年8月5日。
AIG全英女子オープンで、日本人として42年ぶりにメジャー大会制覇を果たしたからです。
これまで、名だたる日本屈指のゴルフ選手が2位、3位を獲得したことは数多くありましたが、1位になったのは42年ぶり。
メディアはその偉業を連日放送しました。
メディアを見ている人は、その偉業がどれだけ凄いか既に理解できていることと思います。
同時に渋野選手のパーソナルな部分の報道もたくさんされています。
今回はそんな渋野選手の凄いところを「プレー面」と「人間面」の両面で検証していきます。
渋野選手に多くの人が惹きつけられる理由。
渋野選手のすごいところを記事にしましたのでご覧になっていただければ幸いです。
決断力
渋野選手は「決断力」が長けています。
多くのツアーでは一人ではなく、複数の人たちとコースを回ります。
その中で、時に問題となるのが一部の選手による「スロープレー」。
ショットを打つまでの時間を長く取り、他の選手に迷惑をかける行為ともなるが、渋野選手はコレが非常に短い。
要はどのクラブで、どのくらいの力で、どのコースに、どのように打つか?といった方法を素早く決定しているのです。
自分の感覚とキャディの助言を頼りに、自身の経験と直感を活かしているのでしょう。
結果として良い方向に転じているケースが多いので、この決断力はすごいところです!
渋野スマイル
笑顔の力も計り知れません。
一般的に、「集中」のシーンで笑顔はご法度的な印象があるでしょう。
多くの人の記憶にもある通り、8月5日のAIG全英女子オープンのウイニングパットでは、カップインした瞬間に満面の笑顔でしたよね。
初優勝や劇的な優勝シーンでは感極まる選手も多い中、一点の曇りのない笑顔でした。
プレー中も時に真顔な時もあるが、笑顔の印象が非常に強い選手です。
笑顔には脳内に「エンドルフィン」という快楽物質を放ちます。
エンドルフィンを放出することで、笑顔をした人は自身の幸福感を高めたり創造性を育むことができるようになります。
なんと意外にも笑顔を出すことで「創造性」も増幅させる効果があるのです。
プレッシャーのかかる部分や、緊張してしまうシーンで敢えて笑顔を作り出し創造性を高めているのかもしれませんね。
個人的には、あのウイニングパットの笑顔がすごいと思いましたね!
普通なら涙になりそうなんですが・・・
本番力
アマチュアでもプロでも本番力は人によって大きな差が生まれます。
筆者の私としては、本番力とは「練習の成果を出し切る力」と考えています。
練習の段階で、本番を想定したトレーニングを効果的に行うことで、練習通りのパフォーマンスを引き出しやすいと考えています。
プロアマ含む多くのアスリートの中では、練習の成果を本番で出せなかったという選手が居ることがあります。
個人的に言わせてもらえれば、本番力が弱いということになります。
大概の選手は、練習の成果を出し切ると満足できたり、結果が出ると信じています。
なのに本番で力を出し切れないのは、練習で本番を想定したトレーニングが満足にできていないからだと考えます。
渋野選手本人ではないので分からない部分がありますが、普段の練習から本番を想定したトレーニングができているのは間違い無いでしょう。
だからこそ、本番でのショットの決断力・笑顔を出せる余裕もあるのです。
本番での準備が万全に整っていると思えるので、本番力があるという結論に至ったわけです。
気持ちを切り替える力
渋野選手は気持ちを切り替える力も優秀です。
スポーツでは時にミス・失敗をしてしまうケースがあります。
それを引きずらずリカバリーできる力がすごいのです。
ゴルフ用語を使うと「バウンスバック率」と言い、ボギーより悪いスコアでホールアウトした直後のホールで、バーディ以上の結果を出す確率のことを言います。
ゴルフが無知の方に向けて簡単に説明すると「スコアを悪くした直後のホールで、すぐスコアを良くすること」を言います。
ミスをしてもスグ取り返すということにも繋がります。
- 野球でエラーをした選手が次の回にホームランを打つ。
- サッカーで反則でPKを献上してしまったが、直後のコーナーキックからゴールを決めた。
- テニスでブレイクポイントを与えたが、そのあと自らもブレイクポイントを取った。
などなど・・・様々なスポーツで、失敗やミスをその後に、好プレーで取り返すといったシーンがあります。
因みに渋野選手のバウンスバック率は26%程と計算されていて、4回のボギーのあとに、1回はバーディ以上の成績を残している計算です。
この数値は結構立派で、2019年現在日本国内女子で1位の実績となっているようです。
歯切れの良いインタビュー
渋野選手のインタビューでは、20歳とは思えない堂々として歯切れの良さも感じました。
多くのアスリートはその競技を徹底的にトレーニングすることはあっても、インタビューは練習することはないでしょう。
もちろん渋野選手もインタビューを練習していたとは思いませんが、非常に堂々としていました。
20歳くらいであれば、幼い言葉遣いや、曖昧な表現が言葉の中に入ってくることが多いのですが、渋野選手は少し違います。
全英オープン優勝の後のインタビューでは、
「今年は日本ツアーで1億円プレーヤー」「将来は賞金女王にもなりたい」と多くがハッキリ言い切る形で話しています。
もちろんインタビューによっては考え込むシーンもありましたが、基本的には返答はハッキリと言い返せています。
コミュニケーション能力
スポーツはコミュニケーション能力を大切にします。
渋野選手はまだ英語が理解できていない部分も多そうですが、インタビューの際には外国のインタビューアーに対してもニコっと笑顔でアイコンタクトをするなど、対人能力で見劣りする部分を感じません。
あの人懐っこい笑顔は、コミュニケーション上手だと思えてしまいますよね。
笑顔は人を引き寄せる能力があり、敵を作らないといったことにも繋がります。
多くの観客や子供達とのハイタッチ。
本当に人が好きなんだろうなと感じさせるシーンでした。
上述した通り「笑顔」「話し方」「行動」の部分を見ても、近年若年層に多いと言われている「コミュ障」の部分は一切感じさせません。素晴らしいですね。
プレー中にお菓子
渋野選手といえばプレー中に食べた「タラタラしてんじゃねーよ」が有名になりました。
時のお菓子にもなりましたよね。
基本的にはアスリートが本番で良い結果を引き起こすために、お菓子を食べるのはあまり良くないのです。
例えば「チョコレート」は集中力を高めやすいお菓子だが、その効果は短く長時間の競技には向かない部分がある。
アスリートであれば、プレー中に減退した栄養素を補給するのがベストだが、もちろんお菓子にはそのような効果はないだろう。
一般的にはプレー中のお菓子はタブーだが、「ストレス軽減」という意味で食すならば良い効果を生み出す可能性があります。
ゴルフは長時間メンタルを保たなければならない。
自分だけでなく、対戦相手、観客の動きによりメンタルが揺さぶられる場合もある。
その際に心を落ち着けたり、メンタルを維持するためにお菓子を食べるならば気持ちがマイナスになりにくい。
ストレスは完全に敵です。
スポーツの世界でもビジネスの世界でも、ストレスが原因で病気を引き起こすケースも少なくありません。
悪いストレスを溜めるくらいならば、お菓子を食べた方が良いでしょう。
プレー中のお菓子は言うならば渋野選手のメンタルコントロールなのでしょう。
今後の渋野選手が楽しみ
今はまだ20歳。
幼さも残りながらも、しっかりした部分の多い渋野選手。
今後ゴルフの世界で様々な経験をしていき、どのようなプレーヤーになるのか楽しみです。
プレーヤーとしても人間としても素晴らしく憧れられる存在になり続けて欲しいですね。